ペンテコステ

論壇:        ペンテコステ          6/9/2019

本日の説教テキスト使徒言行録2:1の「五旬祭」とは50日目の祭という意味で、七周祭(7×7=49日)の次の日に当たり両者は同じ祭です。50日目とは過越祭から数えて50日目に当たる春の収穫感謝祭です。この日には世界中から信仰深いユダヤ人が大勢エルサレムに来ましたから、キリスト教会誕生にふさわしい日でした。

旧約聖書では年に3回の祭り(除酵祭、七週祭、仮庵祭)に神殿に詣でることが命令されていますので(申命記16:16)、この三大祭には多くの巡礼者がエルサレム神殿に詣でました。新約聖書ではこれに加えて神殿奉献記念祭(ヨハネ10:22、口語訳「宮清めの祭」)がありました。

イエスは過越祭にささげられる最後の犠牲として十字架で殺され、三日目に復活し、キリストの体なる教会を立てるために40日にわたって使徒たちを特訓され昇天して御国に帰られました。それから数日後、イエスのいない地上で、使徒たちを中心に120名の者たちが祈っていたところ、聖霊降臨の事件がユダヤ教の七週祭のたけなわに起こったのです。

これはイエスが、自分がいなくなった後、聖霊を遣わすと言っておられたことが実現したのです。「父は別の弁護者を遣わして、永遠にあなたがと一緒にいるようにしてくださる。この方は真理の霊である。」「弁護者すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊が、あなたがたにすべてのことを教え、…」(ヨハネ14:16、17、26)。

イエスの時代の古ギリシャ語と現代ギリシャ語は相当変化しています。数字の5はペンテ(現代ギリシャ語ではペンデ)、50はペンテコンタ(現代ギリシャ語はペニンダ)、50番目はペンテコステと語尾が変化します。本来はペンテコステ・ヘーメラ(50日目の日)ですが、ヘーメラ(日)が省略されてペンテコステとだけ呼ぶようになりました。

教会はこの聖霊降臨を記念して、それまでの農業祭であった七週祭をペンテコステと呼び変え、この日を聖霊降臨による教会の誕生日と意味付けて、毎年特別の礼拝をささげてきました。この日は過越祭に起った復活、すなわちイースターを起点に日を数えますから、毎年移動祭日となります。イースターが移動祭日なのでペンテコステも毎年日が変わります。また東方教会、正教会では暦の数え方が異なり、1週間ずれて今年は6月16日であるとしています。これはイースターが太陰暦によって日が決まりますので、太陰暦から太陽暦への変換の計算方法の違いによります。

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