ベルシャツアル (改訂版)

論壇:           ベルシャツアル        9/27/2020

オランダの画家レンブラント(1606-1669)は聖書を題材にした絵を多く描いています。上記の絵は「ベルシャザルの饗宴」という題で、1635年の作品です。これはダニエル書5章で神の指が書いた「メネメネ テケル ウ パルシン」のストーリーを、レンブラントが想像力たくましく描いたものです。「メネメネ…」は絵の右コーナーにヘブライ語で書かれていますが、ヘブライ語ならバビロンの学者には読めたはずです。従ってこの言葉は神とダニエルにしか読めない字体でした。

またヘブライ語は右から左へ横書きに書かれますが、絵では上から下へと書かれています。レンブラントはユダヤ人のラビにヘブライ語の書き方を教わり、しかし意図的に縦書き文字として描いたのでしょう。

ベルシャツアルはバルタザールとも表記される、新バビロニア帝国最後の王で、BC539年のペルシャ戦で死んだとされます。史実ではバビロン最後の王はナボニドス(在位555-539年)ですが、長期の外国遠征によって、または精神疾患によって?(ダニエル4:30))留守がちでした。

ベルシャツアルはナボニドスの息子として摂政を務めていましたので、一般には王と呼ばれます。両名の歴史性については、大英博物館所蔵の粘土板に刻まれた楔形文字による「ナボニドス年代記」で裏付けられるため、かなり正確に分かっています。この年代記はキュロスのバビロン征服(539年)を記述して終わっています。

聖書はこの世の歴史を信仰の目で解釈して書かれたものです。この世の歴史では無視された、バビロン崩壊と王の死の本当の理由を、このエピソードを発掘することによって神の御業として教えました。

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