士師記梗概

論壇:         士師記梗概        1/19/2020
士師記には12人の士師が登場します。士師とは裁き司、救助者とも呼ばれ、危急の時に神に召されて、イスラエルを救うリーダーです。
時代背景はヨシュアによるカナン侵略の後ですが、この時代の特定は困難です。「ソロモン王が主の神殿の建築に着手したのは、イスラエル人がエジプトの地を出てから480年目、ソロモンがイスラエルの王になってから4年目」(列王記上6:1)という文章がありますので、これから逆算すれば良いのですが。そもそも出エジプトの時代が特定できません(前期説=BC1500年頃、後期説=BC1300年頃)。
士師記には「国は40年にわたって平穏であった」(3:11)とか「イスラエルの人々は、18年間、モアブの王エグロンに仕えなければならなかった」(3:14)という数字が18回登場します。これらを合計は410年になりますが、これは時代決定の数字にはなりません。象徴的に用いられる数字が多いからです。結局ヨシュアの時代とサムエルの時代の(どちらでもない)中間ということしか分かりません。
12人という数字はイスラエル12民族を代表するのであって、これらの他にも士師と呼ばれる人物はいたことでしょう。士師にはその人の業績が詳しく書かれる大士師と、名前だけが紹介される小士師がいます。これらの人物を概観しながら士師記全体を梗概します。
1-2章:3章から士師が登場する背景理由。カナン侵略の外観と、占領できなかった地域の説明。ヨシュアの最後。「主に背く世代が起こる」。
3章:大士師オトニエル、エフド、小士師シャムガル
4章:大士師デボラとバラク
5章:デボラの歌
6-8章:大士師ギデオン(別名エルバアル)
9章:ギデオンの子アビメレクの反逆
10章:小士師トラ、ヤイル
11-12章:大士師エフタ、小士師イブツアン、エロン、アブドン
13-16章:大士師サムソン
17-21章:付録。「そのころイスラエルには王がなく、それぞれが自分の目に正しいとすることを行っていた」(17:6、18:1、19:1、21:25)という混乱の時代を、「今は王がいる時代」から振り返っている。
17章:ダン族の移動
18章:シドン人の虐殺
19-21章:ベニヤミン族 vs イスラエルの内乱と収拾

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