聖書の登場人物の名前

論壇:        聖書の登場人物の名前      2/2/2020
ギデオンは「切り倒す者」「勇猛な戦士」という意味です。ギデオンの時代はBC1150年頃で、ヨルダン川東のミデアン人(アラブ遊牧民族)ラクダ隊がいつも略奪に襲来していました。
このような危機時代に神が起こされたのがギデオンですが、彼は最初臆病な人物として登場します。しかしどのような人物でも神様に用いられる時、その人物は変えられるのです。しかし元来の性格の欠点(ギデオンの場合、女好きと金銭欲)は変わらずに、イスラエルを救うのはテンポラリー(一時的)です。イスラエルは神が直接治める神権政治の時代である士師時代から、世襲王制の功罪を経て、神の御心にかなう本当の王とは誰かという問題を追及していきます。
欧米人の名前には聖書の登場人物から取られたものがとても多くあります。たとえばマタイの英語名はマシューですが、これはモンゴメリーの『赤毛のアン』では主人公アンの養父の名前です。マタイはスペイン語ではマテオです。以下に聖書の名前、英語名、その他の外国語名という順序で紹介します。(略語説明:仏=フランス、西=スペイン、露=ロシア、
独=ドイツ、和蘭=オランダ、葡萄=ポルトガル)
ヨハネ=ジョン、ジャン(仏)、ヨハン(独) マルコ=マーク ルカ=ルーク ナタナエル(ヘブル語ナタン)=ネイサン、ナータン(独)
ヨセフ:ジョセフ(女名=ジョセフィーヌ) シモンorシメオン=サイモン ペトロ:ピーター、ピエール(仏)、ペーター(独) アンデレ=アンドリュー、アンドレアス(和蘭) ヤコブ=ジェイコブ or ジェイムズ、ヤーコフ(露) フィリポ:フィリップ、フェリペ(西) トマス=トーマス マリア(ヘブル語ミリアム)=メアリー、マリー(仏) パウロ=ポール(英、仏)、パブロ(西) エリヤ=イライジャ イサク=アイザック インマヌエル(神共にいます)=エマニュエル、マヌエル(葡萄) エリサベト=エリザベス、イザベラ(西) アブラハム(英語、ギリシャ語、ヘブライ語)=イブラヒム(イスラム) ダビデ=デイビッド ヨナタン=ジョナサン、ミカエル=マイケル、ミッシェル(仏)、イザヤ=エサイアなど。尤もこれらの名前の語源が聖書だとは知らずに命名する人が多くなったと、最近の欧米の教会では嘆いているそうです。
ギデオンは「ギデオン聖書頒布会」で有名ですが、あまり人気はないようです。聖書ではギデオンに多くの頁をさいていますが、天使の「勇者よ」という呼びかけは皮肉であり(6:12)、ギデオンには数多くの妻がいて息子が70人もいたこと、戦利品でエフォデを作ったとか、子供の教育に失敗したことなどが原因なのでしょう。

pagetop