イエスの最後の一週間

 

論壇       イエスの最後の一週間      3/28/2021

ユダヤの暦は夕方太陽が地平線に沈むと翌日になりますので、夜中の12時に日付が変わる現代の暦とは違います。夜は「森の獣が忍び出てくる」(詩編104:20)時間です。神の天地創造の働きでも「夕べがあり、(夜がなく)朝があった」のです(創世記:5)。貧しい庶民にとってはローソクも燭台のオリーブ油も高価なものです。朝暗いうちから起きて涼しい午前中に仕事をし、暑い昼間はお昼寝です。パレスティナは暑い亜熱帯気候、この生活と時間の違いを頭に入れた上で、イエスの最後の一週間を、当時の暦で、マルコ福音書を中心に再現してみます(章と節の数字の前に名前のないものはマルコ)。なお現代のユダヤ人は過越祭をニサンの月の13日から始めます。

「過越祭の六日前に、イエスはベタニアに行かれた」(ヨハネ12:1)

日曜日:「エルサレムに近づいて」(11:1)、入場(ホサナの合唱)。

ベタニアに宿泊

月曜日:「翌日一行はベタニアを出て」(11:12)エルサレム入場(11:15)

「その翌日、祭りに来ていた大勢の群衆は、イエスがエルサレム

に来られると聞き、なつめやしの枝を持って迎えに出た」

(ヨハネ12:12)、いちじくの木を呪う。宮清め。

火曜日:「翌朝早く」(11:20)枯れたいちじくの木の説明。

水曜日:「一行はまたエルサレムに来た」(11:27)。諸説教。

「過越祭と除酵祭の二日前になった」(14:1)。香油注ぎ。

ニサンの月13日:日没とともに家屋内から一切のパン種を捨てる

木曜日:「除酵祭の第1日」(14:12)、過越の準備(14:16)

ニサンの月14日:夕刻から過越祭の食事が始まる

金曜日=安息日の前日(15:42):「夕方になるとイエスは12人と一緒に

そこへ行かれた」(14:17)主の晩餐、ゲッセマネの祈り、逮捕、

大祭司アンナスの下での裁判(ヨハネ18:12―14)、ペトロの否認(14:66―72)、「世が明け…ピラトの裁判…死刑判決」(15:1―15)、十字架、急いで埋葬(∵日が暮れるとすぐ安息日)。

土曜日:安息日

日曜日:「安息日が終わると」(16:1)朝早くすでに復活していた。顕現。

「ちょうどこの日」(ルカ24:13)二人の弟子へ顕現。二人はエル

サレムに戻る」(ルカ24:33)、弟子たちへの顕現(16:12)。

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