イースター

論壇          イースター       4/4/2021

イエス・キリストは今からおよそ2000年前、十字架で死んで葬られて後、3日目に復活されました。ここからキリスト教が始まり、教会は毎年イースター(復活祭)を祝う行事を行います。イエスの弟子たちは世界中に伝道し「ナザレのイエスは復活した」という最もシンプルな福音(良きニュース)を告げ知らせました。

このニュースと同時に弟子たちが述べ伝えたのは「イエスは主である」また「イエスはキリストである」という信仰告白です。これは神を自称したローマ皇帝を自分の主と告白するかイエスを主とするかの命をかけての選択でした。なぜならイエスを主と告白することはローマ皇帝は私の主ではないという信仰告白ですから、即死刑を意味していたからです。このため初期のキリスト教会ではローマ帝国の迫害によりおびただしいクリスチャンたちが殉教しました。

イースターはイエスの最後の晩餐が行われた過越祭(ヘブライ語=ペサハ、ギリシャ語=パスカ)に由来しますので、聖公会ではパスハと呼んでいます。イースターの語源はゲルマン神話の春の女神Eostreに由来すると言われますが確かなことは分かりません。ヨーロッパでは春になると、今まで死んでいた原野に一斉に花が咲き、自然が復活したと喜び合う春の祭りがありました。キリスト教がヨーロッパに入っていく中で、復活祭と春の祭りが融合したのでしょう。

イースターの日付は太陰暦の過越祭を元に決められていましたので、現代の太陽暦では移動祭日となります。毎年の計算方法は、西方教会では325年のニカイア総会議で「春分のあとの最初の満月後の日曜」と決めました。来年のイースターは4月17日です。東方教会では違った計算方法ですので、異なった日付で行っています。

イースターの諸行事では、カトリック教会ではマリア像を神輿にして担ぎ回る行進が一般的です。また復活=新しい生命の誕生との関係で卵、多産の象徴であるうさぎ、特別の食事などがあります。イースターの前日まではレント(4旬節)でキリストの受難を偲ぶ季節で食事を質素にしていましたから、イースターを解禁日として、乳製品を多く用いたご馳走を食べるというわけです。これらはキリスト教的文化ですがキリスト教の本質ではありません

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