新元号と大嘗祭について

論壇:       新元号、大嘗祭について      3/31/2019

報道によりますと、新しい元号が明日閣議決定報告され、5月1日に実施されるとのことです。平成(ひらなり)は2019年4月30日をもって終わります。

元号制度は古代中国において、皇帝が時間を支配することを目的として作られたもので、為政者に都合が良いので、日本に輸入され採用されました。元号は「君主」の時間に民衆を従わせるための、本来的に非民主的な制度です。クリスチャンは意識的に元号を避けねばなりません。日本キリスト改革派教会は公文書から元号を排除しています。

1979年6月6日、政府は「元号法」を成立させ、当時の三原朝雄総理府総務長官の名によって「元号法の成立に当たって」という通達を全国の役所に送りました。全文で1100字ほどの短い文章ですが、重要な点は次のとおりです。「この法律は、①元号は、内閣が政令の形で決めること、②それは、皇位の継承のあった場合にだけ改元すること、の二点であり、元号の使用については、何も規定していない。したがって、一般国民は、これまでと同様に今後も、元号、西暦を自由に使い分けていただいて結構である。」

この通達は現代でも有効です。私は免許更新など、官庁で年月日を記入する書類には必ず西暦で記入しますが、文句を言われた時にはこの文章のコピーを見せます。印刷された書類の元号を消して西暦を書いた時は「公文書偽造だ」と警官が脅してきましたが、このコピーを掲げて反駁しました。法的に元号を強制することはできないのです。しかし残念ながら私の免許書は「平成35年11月5日まで有効」と、絶対にありもしない元号が印刷してあります。何という愚かなシステムでしょう。

次に問題になるのが大嘗祭です。ネットで検索すれば詳細が分かりますが、これはどう言いくるめようとも憲法違犯の行事です。なぜならこれは「天皇が神になる儀式」だからです。憲法20条は下記の通り規定しています。「信教の自由は、何人に対してもこれを保証する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。」

「何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。」 「国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。」

大嘗祭について、政府はこれを国事行為、皇室の私的行事、儀礼などと強弁していますが、皇室神道にとっては必須の、天皇霊を継承する儀式です。その最深部は秘密のベールに閉ざされていますが、どう言い繕っても宗教儀式であることは明白です。報道されているように27億円もの税金が使われるのですから、私たちはクリスチャンとしても、一市民としても黙っていることはできません。

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