元号について、2

論題:        元号について、2       4/14/2019

朝日新聞4月11日の夕刊でおもしろい漫画を見ました。新元号「令和」が巷で大騒ぎですが、良和(よしかず)という男の子が、自分の名前はリョウワとも読めるので、レイワとの関係でマスコミにインタビューされたらどうしようと悩むという話です。この漫画のオチは「その時期は終わってるよ」というせりふで、令和なんてもう話題になってないんだと茶化しています。政府が意識的に作り出そうとしているお祭り騒ぎなんか誰も乗っからないよという意思表示です。この漫画の作者の心意気を感じました。

今までの元号は中国の漢詩から採られているので、今回は日本独自のものからと政府はこだわったそうで、万葉集が出展とのことです。「安倍首相は、〈大化〉から数えて248番目にして、初めて中国の古典ではなく日本の国書から取った元号を定めたことに胸を張った」と報じられているそうですが、早速異論が出て、万葉集のこの言葉自体が中国の2世紀の漢詩『仲春令月 時和気晴』からの引用だと暴露されてしまいました。

私は別の観点から元号に反対します。それは3月31日の週報論壇にも書きましたように、元号というシステムそのものが中国からの輸入なのです。元号は古代中国で、皇帝が時間を支配するという概念を表すものです。これが天皇による民衆支配に都合が良いとの思惑で日本に輸入されました。従って元々民主主義とは全く相いれないものです。天皇の代変わりによって、私の生活時間が違って呼称されるなどというばかげたことは天皇教信者たちだけで騒いで欲しいものです。

元号が時代錯誤な非民主的なものであることは、元号をもって呼ばれる天皇が命名に関われず、他人が決めたものに従わなければならないという不条理にもあります。また法律には、新元号を決定する「方法」についての記載が全くなく密室で決められています。これが国民主権の国家でやることでしょうか。誰がどういう理由で決めたか分からないようなものですから、私たちは無視するのが良いでしょう。だいたい元号と西暦との換算表を持たねば書類も作れないような社会は異常ではないでしょうか。

またパスポートには元号など一切記載されていません。生年月日に元号など書いたら誤解を招くだけで、国際社会では迷惑なだけで全く通用しないということを外務省は身を持って知っているからです。私たちは天皇の神格化を画策する政府の「村社会」の論理ではなく、自分の意見を自由に話すことができる開かれた社会を作りましょう。

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