ハバクク書概要

論壇         ハバクク書概要        3/14/2021

ハバククは神に向かって、なぜ世の中に不正義があるのか、なぜ異邦人の敵が神の民を攻めるのかと訴え神に挑戦します。預言者の中ではこのような人物は他には見当たりません。

ヨブは預言者ではありませんが、神に向かって「なぜこんな理不尽なことをするのか」と神に嚙みついています。またアブラハムはソドムの住民を救うために値切り交渉をしました。ヤコブも神の使いとレスリングをしてイスラエル(神と争う者)という名前をもらいました。

ハバクク書の時代背景は「見よ、わたしはカルデア人を起こす」(1:5)とありますので、BC612年のバビロンによるアッシリア滅亡から587年のエルサレム陥落までの時代です。

ハバクク書はハバククの第1の訴えと神の応答、第2の訴えと神の応答が前半(1,2章)。後半はハバククの賛美(3章)というシンプルな構造で、音読でも10分です。中心テーマは神の「神議論」と呼ばれるもので、「正義である神がなぜ悪人を用いて神の民をこらしめるのか」そして「神の沈黙」への疑問です。神はこの問いに直接応答されませんが「たとえ遅くなっても待っておれ」(2:3)と言われます。

             アウトライン            

①ハバククの訴え1:「いつまであなたは聞いてくださらないのか」(1:1-4)

①‘ 神の答:「お前たちの時代に一つのことが行われる…わたしはカルデア人を起こす」(1:5-11)

②ハバククの第2の訴え:「我々を罰するためとはいえ、なぜ我々よりももっとひどいカルデア人を用いるのか」(1:12-17)

②‘ 神の答:「定められた時が来るまで待て」(2:3)

「カルデア人には5つの災いが来る」(2:6-20)

1,お前が略奪したようにお前も略奪される(6-8)

2,不当な利益に対する裁き(9-11)

3,不正に対する裁き(12-14)

4,不法に対する裁き(15-17)

5,偶像礼拝に対する裁き(18-20)

ハバククの祈りと賛美(3章)

威厳と威光に満ちた神賛美(1-7)

無敵の戦いの神を賛美(8-15)

ハバククの信仰告白(16-19)

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