礼拝論7、洗礼

論壇:        礼拝論7、洗礼        5/20/2018

先週の論壇に引き続いて、公的礼拝での重要な要素、洗礼について考えます。これには幼児洗礼と成人洗礼の二種類があります。

成人洗礼式においては、受洗志願者は下記の6項目の個条を誓約しなければなりません(日本キリスト改革派教会礼拝指針62条)。

①あなたは、天地の造り主、唯一の生けるまことの神のみを信じますか。②あなたは、自分が神の御前に罪人であり、神の怒りに値し、神の憐れみ

によらなければ望みのないことを、認めますか。

③あなたは、主イエス・キリストを神の御子また罪人の救い主と信じ、救いのために福音において提供されているキリストのみを受け入れ、彼にのみ依り頼みますか。

④あなたは今、聖霊の恵みに謙虚に信頼し、キリストの僕としてふさわしく生きることを、決心し約束しますか。

⑤あなたは、最善をつくして、教会の礼拝を守り、その活動に奉仕し、教会を維持することを、約束しますか。

⑥あなたは、日本キリスト改革派教会の政治と戒規とに服し、その純潔と平和とのために努めることを、約束しますか。

これらの個条は、キリスト教信仰における最低限の教理知識(神、罪、キリストによる救い、聖霊、教会)への理解と同意を受洗志願者に求めています。準備教育(聖書知識、キリスト教教理)は、志願者の信仰レベルによって異なりますが、私は『洗礼、信仰告白・誓約の学び』をテキストにして最低でも3回は行うことにしています。また最低限『ウェストミンスター小教理問答』と、マルコ福音書を通読していることを条件にしています。受洗志願者は上記の6項目を誓約できれば洗礼を受けることができます。教会役員任職の誓約には、これに加えて教会の憲法(教会規定、ウェストミンスター信仰基準)への同意も求められます。

幼児洗礼については、バプテスト教会などはこれを認めませんが、その理由は、成人は信仰告白の誓約を自分の責任において告白できるが、幼児は洗礼の意味を理解できないからというわけです。

改革派教会が幼児洗礼を認めるのは、聖書に教えられた「契約信仰」すなわち親の信仰が子どもに引き継がれるという真理です。幼児洗礼とは教会への入会式ではなく、神が「これは私の子どもだ」と宣言されるのを、人間側が形として表わす儀式だと考えるからです。幼児洗礼を人間中心に考えるか、神中心に考えるかの違いです。洗礼方式の浸礼か滴礼かの違いは枝葉の問題ですが、浸礼方式だけを主張する教派もあります。

信仰告白式とは幼児洗礼を受けた子どもが、信仰を自主判断できる年齢になった時、教会に申し出て受ける儀式です。

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