昇天からペンテコステへ

論壇:     昇天からペンテコステへ     5/17/2020
本日から3回にわたって、キリストの復活後の出来事を取り上げ、教会とは何かについて学びます。
1:キリストの昇天(本日) 2:使徒の補欠選挙(5/24)
3:ペンテコステ (5/31)
これらは新約の教会の誕生のために必要なことでした。イエスは創造主ヤハウエを拝むという本来の宗教が、ユダヤ教という形骸化した戒律宗教に変質してしまったので、これを元の正しい聖書の宗教に改革(リフォーム)するために来られました。
イエスは復活後40日にわたって弟子たちに教えられましたが、その内容はもちろんこれからの伝道と教会形成のためでした。12弟子の内ユダが欠けた後に使徒の補欠選挙をして12という数字を残したのは、古いイスラエルから新しい神の国へのスタートに当たって、変わらないものがあることを教えるためでした。旧約聖書の象徴的な数字がイスラエル12部族を象徴する12という数字でしたから、新約の教会は旧約聖書の上に立てられるということを示したのです。
イエスは「律法の文字から一点一画も消え去ることはない」(マタイ5:18)と言いながら、レビ記の「清い食べ物と汚れた食べ物」(11章)という律法を撤廃し「すべての食べ物は清められる」(マルコ7:19)と宣言されました。これは一つの例ですが、聖書の宗教の連続性と断絶性の両方を教えられたのです。
昇天は全く新しい時代が来たことを可視的に教えます。これからはイエスに縋り付いているのではなく、自分たちで行動しなければなりません。教会を立てるのは私たち一人一人の働きによっているのです。そのために群れの中からのノミネートによって使徒の補欠選挙が行われ、新しい体制で伝道が進められます。それはエルサレムから始まり、周辺のユダヤに広がり、更にはユダヤ人に忌み嫌われたサマリアに広がり、更に異邦人の地(地の果て)へと広がります。そしてこの順序に従って使徒言行録は編集されています。
しかし教会は、人間の努力によってのみ立てられるものではありません。教会は人間のサークル活動ではありません。そこに復活のイエス・キリストが臨在しておられるのでなければむなしいものです。従ってイエスはご自分のもとから派遣される「別の弁護者」すなわち「真理の霊」(ヨハネ14:16、17、26)を教会の中に、個人個人の中に住むようにと、送ってくださるのです。このことが可視的に起こったのがペンテコステです。

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