レビ記

論壇:            レビ記         8/4/2019

レビはヤコブとレアの間に生まれた三男です(創世記29:34)。この子孫はイスラエル12部族に登録されませんでした。彼らは「幕屋、その祭具及び他の付属品にかかわる任務を与え、幕屋とすべての祭具の運搬と管理をさせ、幕屋の周囲に宿営させなさい」と命令され(民数記1:50)、もっぱら宗教行事の下働きをする一族となりました。

このレビ族の詳しい内容は民数記に出てきますが、レビ記には出てきません。わずかに25:32、33にレビ人という呼称が数回出てくるのみです。レビ記のヘブル語での表題は「そして主は呼んだ」(1:1)です。それがなぜレビ記という表題になったのか不明ですが、旧約聖書のギリシャ語訳(BC3~2世紀)とラテン語訳(405年頃)の呼び方が定着したのでしょう。レビ記は大きく二つに分かれます。

1~16、27章:献げ物の具体的方法、礼拝儀式、清浄と不浄の区別、汚れを清める方法、贖罪儀式。

中心的な教え:「祭司が罪を贖う儀式を行うと、彼の(彼らの)罪は赦される」(4:20、26、35、5:6、10、13、16、18、26)

「あなたたちのなすべきことは、聖と俗、清いものと汚れたものを区別すること」(10:10)

17~26章:神聖法集

17:献げ物を献げる場所、血を飲むな

18:厭うべき性関係(判決は20:9-21)

19:十戒の詳細

20:死刑に関する規定

21:祭司の汚れに関する規定

22:献げ物に関する詳細

23:主の祝祭日

24:常夜灯、供えのパン、神聖冒とく罪

25:安息年とヨベルの年

26:命令違反への警告

27:献げ物の細則

中心的な教え:「わたしは聖なる者であるから、あなたたちも聖なる者となりなさい」(19:2、20:7、8、26、21:8、15、23、22:9、16、32)

レビ記は出エジプト記29、30章にある礼拝規定、献げ物規定に続く施行細則や十戒の具体的細則の集大成であると言えます。カナン定着以来、膨大な分量に膨れ上がってきた細則の伝承を、モーセ五書(創世記~申命記)の編集者はこのようにまとめたのでしょう。

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