ヨブ記 1

 

論壇:         ヨブ記、1        5/9/2021

ヨブ記は散文で書かれた1、2章とエピローグの42:7―17を除くとすべて詩文で書かれています。1、2章はなぜこの災害がヨブの上に起こったのか、ヨブには理解できませんが、これは天上の神とサタンの取引によるものだと、読者にだけその理由があらかじめ教えられます。ヨブ記を読むには少し工夫がいります。それは文章構造に従って段落ごとに一まとめにして読むのです。

1、事の起こり(1、2章)

2、ヨブの嘆き(3章)

3、ヨブと三人の友との第1回の議論(4~14章)

①エリファズ(4、5)・ヨブ(6、7)

②ビルダド(8)・ヨブ(9、10)

③ツオファル(11)・ヨブ(12-14)

4、第2回の議論(15~21章)

①エリファズ(15)・ヨブ(16、17)

②ビルダド(18)・ヨブ(19)

③ツオファル(20)・ヨブ(21)

5、第3回の議論(22~27章)

①エリファズ(22)・ヨブ(23、24)

②ビルダド(25)・ヨブ(26、27)

6、神の知恵の賛美(28章)

7、ヨブの嘆き(29~31章)

8、エリフの言葉(32~37章)

9、神の顕現と言葉(38章~42:6)

10、結び(42:7~終わり)

ヨブの友人たちの議論は因果応報の論理に基づいたものです。ヨブがこのようなひどい目に遭うのは、ヨブが何らかの罪を神に犯した結果だから神に懴悔し悔い改めよ。そうするなら神は助けてくださるというものです。これに対してヨブは無罪と冤罪を主張します。神だけが把握していてヨブには認識できない罪まで問われるのは不当だと反論します。この世の悲惨さは罪だけで説明できるものではありません。友人たちはヨブの災難を聞いて遠くからお見舞いに来ました。またヨブと共に断食して嘆きました。しかし神に向かってヨブを何とかしてくれと訴え祈る者はいませんでした。

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