テサロニケの信徒への手紙2

4月23日から「テサロニケの信徒への手紙1」の連続講解を始め、7月16日で終りました。13回の連続説教でした。本日から第2の手紙の連続講解説教を始めます。

パウロはコリントにいる1年半の間に(使徒言行録18:11)第1の手紙を書きました。この手紙を運んだテモテなどが、テサロニケ教会の人々がこの手紙をどう読んだか、どのような効果があったかという様子を知らせました。「私たちの宣教は、迷いや不純な動機に基づくものでも、また、ごまかしによるものでもありません」(Ⅰ、1:1)というパウロの弁明は、テサロニケの信徒たちの心を動かしました。パウロに対する非難が根も葉も無い中傷であることを、人々は十分に納得しました。テモテの報告はパウロを非常に喜ばせるものでしたから、第2の手紙の冒頭には神に対する感謝の言葉が述べられています。第1の手紙は、その目的を十分に達したのです。

しかしキリストの再臨の問題については、まだまだテサロニケの信徒たちは誤解と、異端の教えの危険の中にいました。テサロニケの信徒の中には、キリストの再臨がすぐにあるので、働く意味がないなどと言って「怠惰な生活をしている者」(3:6)がいたのです。また「主の日は既に来てしまった」(2:2)と、誤れる異端の教えを吹聴する者もいました。それでパウロはそのような教理の誤りをいっそう強く戒めるため、また勤勉な生活を勧めるために第2の手紙を書いたのです。ですから第2の手紙が書かれたのは、第1の手紙のすぐ後だったでしょう。以下に梗概を記します

1、あいさつ(1:1、2)

2、感謝と励ましの言葉(1:3-12)

テサロニケの信徒たちの信仰をほめ、感謝する(1:3-4)

神の正しいさばき(1:5-10)

パウロの祈り(1:11、12)

3、終末についての教え(2:1-12)

「主の日は既に来てしまった」という異端説について(2:1、2)

「だまされてはいけません」(2:3-12)

4、正しい信仰生活「伝えた教えを固く守り続けよ」(2:13-17)

5、祈りの要請(3:1-5)

6、怠惰な生活をする者への戒め(3:6-15)

7、結びの言葉(3:16-18)

pagetop