アドベント

論壇:        アドベント(待降節)      11/29/2020

今日からキリスト教の暦ではアドベントがスタートします。アドベントとは「到来」を意味するラテン語Adventus(アドベントゥス)が語源で「キリストの到来」を意味します。アドベント・シーズンは12月25日のクリスマスに先立つ4つの主日から成り立ち、キリストの降誕を待ち続ける季節です。これを視覚的に表現するために、ローソクを4本立てたアドベント・クランツを作り、毎週灯を1本ずつ増やしていくことによってクリスマスが近づいて来ることを感じます。今年も1年間の感謝をささげると共にコロナが早く終息するように祈りましょう。

さてアメリカではこの時期 “Merry Christmas” という挨拶をしなくなったという話を聞きます。多民族・多宗教のアメリカではメリークリスマスというのは、クリスチャンではない相手に失礼だというわけです。それではなんと言うのか、それは”Happy Holidays”です。従ってクリスマスカードでも “Merry Christmas” ではなく ”Season’s Greetings” となるわけです。

アメリカの大手調査機関「Public Religion Research Institute(PRRI)」が2016年12月に行った世論調査によれば、「店や企業は顧客に対して“メリークリスマス” の代わりに “ハッピーホリデー” と言うべきか」という問いに対して、ほぼ半々に意見が真っ二つに分かれたということです。これを党派別に見ると、「メリークリスマスと言うべき」と答えた共和党員は67%、民主党員はわずか30%だったというのです。

これを選挙に利用したのが4年前のトランプで、彼は「中絶廃止」「アメリカを再び偉大な国に」というコピーと共に「アメリカが再び “メリークリスマス” と言える国に!」というキャッチフレーズで、アメリカの福音派に媚を売って当選したのです。

さてもう一つ、日本での問題は、12月25日にクリスマス礼拝を教会で行うことができないことです。まだ22日で待降節第4主日だというのにクリスマス礼拝をせざるを得ません。この日は会社も学校も休日ではないので、サラリーマンも子供も休めません。欧米やキリスト教国では25日が完全にお休みですから、クリスチャンたちは教会でクリスマス礼拝をささげることができます。私たちはこの日を休日にしようという社会運動を日本で広げていくべきです。今までは12月23日が天皇誕生日で、この運動は困難でしたが、12月は休日が無くなったのですから、国民的な祝日として新設するよう呼びかけていきましょう。

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